宇佐市に伝わるおやつで、小麦粉を水で溶いて砂糖を加え、鍋で丸く薄く焼いたもの。焼いて作るので"やきもち”と呼ばれている。
宇佐市院内町衛藤家では、この"やきもち”をおやつによく作っていた。生地に砂糖だけでなく塩もきかせて焼き、野生のミツバチの巣からとってきたハチミツをかけて食べていたという。チャボの卵がある時は、生地に卵を入れた。それはまるで和製ホットケーキだったという。
衛藤家ではあんを入れない"いぜもち”もよく作り、砂糖をつけたりきなこをつけたり、ハチミツをかけたりして食べていた。院内町のこの地区では、昔からいぜもちにあんは入れない。「最近こそあんこを入れる人がおるけど、ばあちゃんに習ったんは、あんこは入らんやった。あんこを入れるようになったんは、近所に加工所ができて、そこがいぜもちにあんこを入れだしてからかなぁ」
食文化は家々で違う。家の文化なのである。
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